子供の嘘が何回も続くと、うちの子は虚言癖?と不安になることもありますよね。
本記事では、子供の虚言癖は病気なのかから始まり、その原因や親としてできることについてまとめました。

あなたは嘘つき?それとも正直者?
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子供の虚言癖は病気?

虚言癖とは、どうしても嘘をついてしまう人間の性質を表す言葉です。
虚言癖は病気ではないとされているため、医学的な研究が驚くほどに少ないそうです。
なので、大人であっても、子供であっても虚言癖だから病気というわけではありません。
病的な症状へと進行する場合がある
虚言癖は病気ではないとされますが、病的な状況へと進行することがあります。
病的になってくると、嘘と現実の区別がつかなかったり、過剰に注目を引こうとする「演技性パーソナリティー障害」や周りを異様に疑ってしまう「妄想性パーソナリティー障害」の傾向が強くなったりします。
子供がどのレベルなのか、親としてしっかり見極める必要があります。そして進行しないうちに、子供と向き合っていくことが大切になります。
病的になってきている場合は、専門家への相談をおすすめします。
▼虚言癖に関する数少ない文献

子供が虚言癖になる原因3選
子供が虚言癖になる理由はさまざまですが、以下に多いと予想される3つの原因をまとめました。
原因①親の注意を引きたい欲求

一つ目の原因は、子供が親や他の大人からの注意を引こうとする欲求です。
子供は親の関心や愛を敏感に感じ取ります。親の仕事が忙しかったり、兄弟姉妹にばかり目が行っていると、寂しい思いをして、不安になります。
そして、健気な子供は親の気を引こうとして、嘘をついてしまうことがあります。
怖いのは、一度嘘ついたら親に相手してもらえることがわかると、何度も嘘をついてしまうことです。
子供にとっては親からの愛が全てなので、嘘だろうが目的が達成できればそれで良いと思ってしまうんです。
クラウドソージング上で虚言癖についての体験を募集した中で、健康体なのによく体調不良と嘘をつく彼女のエピソードがあったのですが、これは愛情不足から不安を感じやすく、体調不良を心配してもらうことで安心を覚える代表例です。
原因②劣等感や不安からの自己防衛

子供が嘘をつくようになる2つ目の原因は、「自己防衛のため」です。
子供はしばしば自分を守るために嘘をつきます。
例えば子供の頃の私がそうでしたが、周りと違って父がニートだったのが恥ずかしくて、その劣等感から自分を守るために、父はサラリーマンと嘘をついていました。嘘をついている間だけ、他の同級生と同じ立場になっていると感じられるからです。
大人がどうでも良いと思うような嘘でも、子供にとっては大きな出来事なので、嘘をついてまでして自分のコンプレックスを隠そうとします。
原因③嘘つく快感を覚えてしまった

子供が虚言癖になる3つ目の原因は、「嘘をついたときの快感を覚えてしまった」です。
「嘘をつくことで親が構ってくれた」や「嘘をつくことで周りから羨ましい目で見られた」などの経験をしてしまうと、子供は嘘をつくことによる快感が癖になってしまいます。
これが高校生・大学生とかならまだしも、善悪の区別がまだ曖昧な小学生やそれ以下の子供の場合は、適切に大人が教えてあげないと、嘘をついて周りの反応や状況を楽しんでしまうことがあります。
子供が虚言癖になった場合の対処法3選
子供がよく嘘をついているとわかった時に、どんな対処をすれば良いでしょうか。
以下に対処法を3つまとめました。
子供への対処法①嘘をつく理由を話し合う

まずは、子供とじっくりと穏やかに話し合いましょう。
子供がなぜ嘘をつくのか、どんな状況で嘘をついてしまうのかを理解しようと努力しましょう。
ここで大切なのは、嘘をつく子は悪い!と闇雲に叱らないことです。子供に安心感を与え、感情や不安を表現できる場を提供することが重要です。
私の経験ですが、一度だけ親に嘘がバレて、1週間ほど口を聞いてもらえなかったことがあります。親としては適切に叱って嘘が悪いことだと教えたのかもしれませんが、私はあの時から「もう怒られたくないから、嘘はとにかくバレないようにしよう」という気持ちになりました。あれから怒られそうになると、咄嗟に嘘をついてしまうことが多くなったのです。
覚えておいてください。子供は親に好かれたい、愛されたいと思う生き物です。叱るのが悪いと言っているわけではなく、なんでも子供が悪いと決めつける前に、一度穏やかに子供の意見を聞いてあげてください。
子供への対処法②嘘の背後にある不安と向き合う

①と似ていますが、子供の嘘の背後にある感情や不安に向き合いましょう。
子供が嘘を言うときは、大体何かしらの不安を感じていることが多いです。
例えば親の気を引くために、子供がわざと体調不良と言っている場合は「親の愛が足りない」と感じています。
私の学生時代のように父が働いていないのに、働いているように嘘をついてしまうのは「家庭環境にコンプレックス」があるからです。
子供の嘘の背後にある不安と向き合ってあげることで、改善されるでしょう。
イソップ寓話で「嘘をつく子供(オオカミ少年)」を知っていますか?
話のあらすじ:ある日、村にいる羊飼いの少年が「狼が来た!」と騒ぎ出します。村の大人たちは狼退治に向かったところ、嘘だったことがわかります。その後、何度も何度も羊飼いの少年は同じ嘘を繰り返し、その度に村の大人たちは狼退治に向かいますが、毎回徒労に終わります。そんなある日に、本当に狼が来てしまいます。ただ、羊飼いの少年がどれだけ叫んでも、誰も本当だとは信じずに、村の羊は全て狼に食べられてしまいました。
この話は、「嘘をつき続けると、人から信用してもらえなくなる」と言う子供への教訓になりますが、考え方を変えてみると羊飼いの少年が誰からも関心を寄せられず、寂しさを感じて嘘をついてしまったようにも思えます。
子供への対処法③専門家に相談する

虚言癖がひどくなると病的な症状を伴うことがあります。
その場合は、親子で抱えることなく、心理カウンセラーや精神科医に相談して、専門的なアドバイスや治療を受けることをおすすめします。
精神科医への相談はハードルが高い場合、学校などにいるスクールカウンセラーを訪ねてみても良いでしょう。
真摯に寄り添ってくれる専門家を見つけるのが、親にとっても、子供にとってもプラスに働きます。
嘘の裏にある親や周りに対する不安や欲求を見つけてあげよう
子供が嘘ばっかり言うようになると、育て方が悪かった?なんで我が家だけこんなことになるの?と親も不安になりますよね。
しかし、嘘をつく子供の原因は本当に様々で、たまたま色んな要因が重なってしまって嘘を言うようになっただけです。親が全て悪いというわけではありません。
親としてできるのは、子供と向き合うことだけです。子供に向き合って、お互いの気持ちを理解し合うことで親子の絆も深まることでしょう。
完璧な子育てなんて人それぞれですが、大切なのは子供と向き合う姿勢です。
きちんと親が向き合ってくれていることが子供に伝われば、子供も親を信頼して、不安が解消されていくでしょう。
