人は誰しも小さな嘘をついた経験があるでしょう。
私の虚言癖も小さな些細な嘘から始まったのです。
あなたは嘘つき?それとも正直者?
\虚言癖度をチェック/
始まりは、働かない父をごまかす小さな嘘

嘘の記憶があるのは、小学校5年生の頃です。団地から引っ越すことになり、転校をすることになりました。
心機一転をしたかったのか、新しい環境で私の家庭事情を知る人がいなかったからか、ここで「父は普通のサラリーマン」という小さな嘘をつくようになりました。
すごくドキドキしましたが、誰にもツッコまれなかったため安堵したのを覚えています。
少し罪悪感があったものの、次第に「父はサラリーマン」とまるで事実かのように言えるようになりました。
最初は聞かれたら、嘘をついて誤魔化そうと決めていたのですが、徐々に自分から「私の父は〇〇関連の仕事してるんだけど、みんなは?」と自ら話題を振るようになりました。
嘘をここまでにしておけばよかったのですが、私の嘘が止まることはありませんでした。

育ちを美化させる些細な嘘

「父はサラリーマン」という劣等感をごまかす小さな嘘を事実のように言えるようになってからは、育ちを美化するために嘘をつくようになりました。
「父は良い会社の部長してるよ。」
「父がボーナス出たから家族旅行に行くんだ〜」
「うちの両親が結婚記念日だから家族で外食したの!」
「今日はバイオリンの習い事がある日だから遊べないの、ごめんね」など
もちろん全て嘘です。
父がボーナスをもらってきたことなど生涯で一度もないのに、その状況に憧れて口からどんどん出るようになりました。
その嘘を言っているときだけは、まるで自分が幸せな家庭で育ったかのような気持ちになれるからです。
今思えば、育ちの良い自分を演出する「演技性パーソナリティ障害」の一歩手前だったかもしれません。
些細な嘘でも、見え隠れする虚栄心

夫に出会ってから、これまでついてきた嘘を話した時、こんなことを言われました。
「家庭環境が悪いことはそんなに恥ずかしくないよ!大丈夫!」
「ニートなんてわんさか居るよ!」
「それよりそんな家庭環境なのに、いい大学入れたことがすごいんだよ!自信持って!」
「今顔綺麗なんだから、過去は忘れていいんだよ!」
そこでハッと気づいたのです。
私は嘘の原因を全て親のせい、家庭環境のせい、周りのせいにしてきました。
しかし嘘をつくのは全て私の虚栄心から来ていたのです。
周りより優れた存在でいたい、一目置かれたい、裕福に見られたい、そんな欲が些細な嘘の裏にはあったのです。
回想録③は、一番虚言癖が酷かった大学時代(夫に出会うまで)の話になります。

